2007年8月15日
レアル銀行がスダメリス銀行を吸収合併
2003年より計画されていたレアル銀行(Real ABN Amro)によるスダメリス銀行の吸収合併が本格的に実施されることになった。決定はレアル銀行ファビオ・バルボーザ頭取が8月1日に発表した。4年前にスダメリス銀行はレアル銀行に買収されていたものの、スダメリス銀行の行名はそのまま使われていた。
1998年に南米銀行を吸収したスダメリス銀行は、日系コミュニティーに対し常に支援し続けてきたコロニアにとっても重要な銀行だ。バルボーザ頭取は「日系コミュニティーに対する支援は今後も続けていく。スダメリスの魂が日本人であるなら、それはレアルも同じ」と、レアル銀行に変わってもこれまでと同様の支援を続けていく旨を明らかにした。
これまでスダメリスが実施し続けてきた在日ブラジル人就労者(デカセギ)による日本からの送金システムも変わらず続けられるという。「スダメリス銀行は、2003年からレアル銀行と提携し両銀行は日本でも活動の幅を広げている。利率および手数料は今までと変わらない」(バルボーザ頭取)。
今後の活動については、日系コミュニティーによるイベントに対する支援拡大も視野に入れているという。「ブラジルにおける日本文化の伝承・普及を支援することは、我々にとってとても光栄なこと。レアルは、スダメリスを含め顧客の役に立てるよう努力するつもりだ」とバルボーザ頭取は話し、すでに来年開催される移民百周年記念祝典への準備も始まっているという。「我々は準備のため、各協会、団体にコンタクトを取り始めたので、あとはイベントの実現を待つのみだ。我々もまた独自に日本文化の展示会に参加したい」と意欲をみせた。
スダメリス銀行の顧客の元には、8月以降に今回の吸収合併に関する説明が郵送される。「2つの銀行が合併することにより、お互いの長所をさらに伸ばし、顧客のニーズに応えられるよう努力していく」と頭取は合併について語る。吸収による人員整理や支店閉鎖はないとしており、給料、福利厚生なども現行通り変わらないという。
今回の合併により、レアル銀行はブラジル国内の支店数が844から1106に増え、顧客数は135万8000人増加し1269万2000人、営業所数は6625から7045という巨大銀行になる。
これまでの歩み
日本移民史初期、農地で働く日本人移民は、ブラジルの言葉と文化に加え、商習慣の違いに悩むことが多かった。窮状を見かねた宮坂国人氏とカルロス・ヨシユキ・カトウ氏は1937年、ブラジル拓殖組合(ブラ拓)内に銀行部を設立。しかし、第2次世界大戦の影響で、ブラジル政府は外国人とブラジルに帰化した者が国内で起業するのを禁止したため、ブラ拓は業務停止を余儀なくされた。
1940年10月1日、ブラジル人指導者とブラ拓関係者が集まり「南米銀行」を設立。戦後、南米銀行は規模を拡大し、日系コミュニティーの銀行として活躍した。しかしその後、経営難と国内の経済状況が銀行運営を圧迫し、1998年にスダメリス銀行と合併した。
スダメリス銀行は、1900年に設立された老舗銀行。当初の行名は「イタリア商業銀行サンパウロ支店」だった。1910年に南米イタリア銀行により買収された。
第2次世界大戦後、行名をブラジル連邦銀行と変え、その後スダメリス銀行に変わり、現在に至る。1998年、南米銀行はスダメリスにより買収され、同年スダメリス銀行はABN AMRO銀行に買収された。