女性だけの移民史『女たちのブラジル移住史』
ブラジルに渡った女性6人がそれぞれの人生を書いた『女たちのブラジル移住史』(毎日新聞社)の発売記者会見が12月12日、サンパウロ市のブラジル日本語センターで行われた。
会見には、パラー州在住の大槻京子さんを除く著者5人と監修した日下野良武さんが出席した。同書は、在伯邦字新聞に勤務した経験を持ち、ブラジルに関する著作もあるフリージャーナリストの日下野さんが「ブラジルに移住した女性が生きた物語を日本人に伝えたい」と構想を持ってから10年を経て実現した。同氏は「女性が移民史の中でいかに貢献してきたか」を日本人に知ってほしいと語った。
日下野さんの思いに応えたのは、世代、移住へのいきさつ、ブラジルでの境遇、同書出版に対する思いがいずれも異なる6人の著者。同人誌への寄稿など、それぞれ日ごろから文章を綴ることに慣れた女性たちだ。最高齢82歳の小野政子さんは「自分に起きたことをスラスラ書いただけ」と話し、日本語教師を務める中田みちよさんは「子どもたちへの遺言のつもりで書いた」と語った。自分の歴史を本として公にすることへの戸惑いがなかったかと聞かれた斉藤早百合さんは「抵抗がなかったといえば嘘になる。けれど、ありのままを知って欲しい」と出版への思いを語った。
同書は、日本全国の主要書店で販売されているほか、各自治体図書館にも所蔵されている。ブラジルでもサンパウロ市の太陽堂など各日系書店で販売されている。