【シンチア・ユミ/NB】言葉の壁は、日本で生活するブラジル人と日本人にとっていまだ大きな障害となっている。日本で就労するブラジル人(デカセギ)の多くは、あいさつなど基本的な日本語のみで生活しているのが現状だ。しかし、日本で生活をしていくためには、日本語を覚えることは必須。そんな中、ブラジルを離れる前に日本語を学ぶ機会を提供する講座がサンパウロ市のブラジル日本語センター(CBLJ)で行われている。
CBLJは、昨年5月から日本就労希望者にセンターが開発した専用教材と教授法を用いた日本語速成塾を始めた。講座は全60時間(予習、復習を含めて90時間)で最低限の日本語や日本の習慣を学ぶことができる。
講座を開設するにあたり、センターは講師の水準を高めるための研修を実施、選ばれた日本語教師は1週間の集中育成コースで速成塾の手法を学んだ。3月末までにメソッドを学んだ日本語教師97人が速成塾の在籍している。7月までには、日本語教師の数を全国で120人までに増やす予定でセンターの谷広海理事長は「日本企業が支援してくれるおかげで、この数字(120人)の実現は可能だ。多くの企業はデカセギが日本語を解さず日本で働くことを懸念している。しかし、ブラジル国内の日本語教師らの頑張りで、講座の成果は確実に出ている」と話した。
教師養成講座を受けたパラー州ベレン出身のクラーラ・ハタケヤマさんは「より多くの生徒を得る方法のひとつだと思います。速成塾は、デカセギに合った内容を盛り込んでおり、充実している」と評価する。パラナ州ロンドリーナ市で日本語を教えるクリスチーナ・フジイさんも「この講座を受けることにより、現在の日本の現状などを知ることができ、さらに銀行や郵便局、病院での応対など、生活に密着した日本語を学習できる。クラスは多くても4人なので、一人一人細やかな指導ができるだろう」と語った。
クラーラさんとクリスチーナさんは、2月に行われた日本語教師育成コースの卒業式に参加した。卒業式では2人を含め18名が速成塾で教える資格を得た。
速成塾では現在までに55人が卒業している。講座にかかる費用1000レアルのうち200レアルは前払いし、残額はブラデスコ銀行の融資を利用することができる。ブラデスコ銀行へは日本でも返済できる。速成塾公認の日本語教師リストは、ブラジル日本語センターにて閲覧可能のほか、受講希望者がセンターに問い合わせれば、希望する地域に近い先生を紹介してくれる。詳しい内容などは、センター(11)5579−6513まで。